建築への扉

増田先生との想い出…ケント紙に描く

2007年10月28日(日)

先生からは建築論の講義など色々と教えを受けたが、やはり、アトリエの設計活動の中から学んだ事が私にとっては大きかった。(…当時アトリエで描いたスケッチを引っ張り出して懐かしさと共に想い出している…)

アトリエではスケッチを全てA1のケント紙で行なっていた。2Bから5B程度の鉛筆と赤と青の色鉛筆と消しゴムそして、T定規。

ルイスカーンは一晩のうちにトレペの巻紙にスケッチを何本も描いたと聞いた事があるが、ケント紙に描くスケッチはトレペのそれとは違って、そう簡単に描けるものではなかった・・・が、そこでは、初期のスタディから実施前のスケッチに至るまで、全てケント紙であった。ケント紙に階段や立面などを三角法で作図し、その原図をベースにトレペの巻紙で検討を繰り返し、原図を書き換える。あるいは直接鉛筆を重ね、これだと思う形や線形を、消しながら見定めていく。油粘土の模型をその都度修正しては確認して、隅々まで検討を行なった。一日が終わる頃には、手や袖口は鉛筆と油で汚れ、誰のスケッチを見てもドロドロだった。