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住宅(新築)

川西の家

2017

 開通したばかりの新名神高速道路の川西インターチェンジ入口付近にこの家はある。築280年の風格ある古民家はのどかな山里風景に佇んでいたが、ICの開通により周辺道路が整備され、景色も車の通行量も様変わりした。当初、改修する予定だった旧家は検討の結果、古材を有効活用しつつ自邸とアトリエとしてRC造で建替えることになった。

建替えにあたり、旧家の小屋組丸太や造作材を主要な箇所に再利用し、当時の面影を新しい空間に組込み、ご主人が生まれ育った原風景が再現できるように意図し、ファサードは、門屋と主屋の切妻屋根をシンプルに重ね合せ、借景となる大木と山並みに調和する大らかで印象的な外観となるよう計画した。門屋は杉本実型枠のRC壁にシンプルな切妻屋根とし旧家の趣ある扉を取り合わせ、主屋はゆったりとのむくりをつけた切妻の大屋根として、一文字瓦で丁寧に葺き上げた。

内部空間は、中央に光庭を配置し、10帖の座敷を中心に西側と2階を居住スペース、東側をアトリエとしている。外部空間は座敷南側の石庭、アトリエ東側の池を中心にした日本庭園、LDK西側のウッドデッキのあるプライベートな庭とし、四季の移ろいを楽しめるよう工夫した。

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