2025年10月08日(水)
シンガポールの街を歩いていて、最初に「すごい」と思わされたのが、マリーナベイ・サンズ(設計:モシェ・サフディ)でした。
写真では何度も見ていたけど、実際に目の前にするとスケールがまるで違いました。
しかし、不思議と圧迫感はなく、自然と調和しているような心地よさもありました。
マリーナベイサンズを真横から見ると、3つのタワーがほんの少し外側に反り上がっているのがわかります。
その柔らかなカーブが、建物全体に空へと伸びていくような軽やかさを与えていました。
建物が立つ場所も象徴的で、ベイ(湾)に面して佇む姿は、
水面に浮かぶようなバランスを見せています。
サフディは「水・光・緑が共存する都市」をテーマにしており、
反り上がるタワーの曲線や、展望デッキの流れるようなフォルムには、
「波」や「風の流れ」といった自然のリズムが取り込まれているそうです。
展望デッキ(スカイパーク)には多くの植物が植えられ、
そこには“都市の真ん中にもうひとつの地上をつくる”という発想があります。
上空200メートルの高さにいながら、風が吹き抜け、緑が揺れ、
遠くにはガーデンズ・バイ・ザ・ベイの植物ドームが見えました。
その連続性のある風景を眺めたとき、
マリーナベイサンズは単なるランドマークではなく、
都市と自然のあいだをつなぐような存在だと感じました。