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Y邸新築計画スタート・・・敷地測量&地盤調査

2009年03月04日(水)

3月4日 小雨の中、敷地測量と地盤調査を行いました。

調査は専門業者に依頼します。

大阪から測量2名、地盤調査2名の計4名が到着。

お隣のご主人、水利組合の役員さんも見に来てくださいました。

【敷地測量】

210304sikiti約100坪の敷地はのどかの田園風景の中にあります。

もともと農地なので、宅地分譲された土地とは違い、いろいろと準備が必要です。

まず敷地測量を!農地転用申請についてのお話は次回

敷地とその周辺(道路、水路、隣地境界)の境界を確定し、計測します。

約30年前に換地した当時の境界杭が確認されたのでスムーズに進みました。

(境界杭やはっきりした目印がない場合、境界設定で難航する場合があります)

210304mannho-ruベンチマークは前面道路のマンホールに設定しました。

ここを基準点にして測量を行います。

設計図書にはベンチマーク(BM)が明記されます。
敷地と道路の高さ関係等を確認します。

(周囲が田んぼなので湿気を避けるために道路よりやや高めに造成する予定)

トランシット(ゼオドライト)で計測しています。

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【地盤調査】

210304zibanntyousaスウェーデン式サウンディング試験を行いました。

この方法は、スウェーデン国有鉄道が20世紀初頭に不良地盤の実態調査として採用したものです。

その後北欧を中心に広く普及し、1976年には日本でもJIS規格に採用されました。

戸建住宅の地盤調査としてポピュラーな試験です。
210304zimennロッド(鉄の棒)の先端に円錐形のスクリューポイントを取付け、地盤に貫入させていきます。

建物配置の四隅と中央の5ヶ所を調査しました。

約2時間で調査完了。

お隣のご主人も、水利組合の役員さんも親切&気さくで

若夫婦がここに住まいを構えることに「ええこっちゃ」(訳:良いことだ)と歓迎のご様子。

ご近所との良い関係は「幸せな暮らし」にかかせないものですから・・・ありがたいことです。

翌日FAXで届いたデータ速報では、軟弱地盤の心配はなさそう・・・ホッと一安心。

正式な報告は週明けに届きます。


丁寧な暮らし・・・恩師を訪ねて

2009年02月10日(火)

210204sennsei美大時代の恩師のお宅を訪ねました。

京都芸大で染色を、北欧でテキスタイルデザイン学んで帰国されたS先生は当時30代。
キュートな顔立ちと抜群のスタイルに最新のファッション、シルクスクリーンの作品に取組む姿は輝いていて、学生の私にとってまさに「あこがれの女性」でした。
京都桂川沿いのマンションは、自作、友人知人の作品、教え子の作品、旅先で目を惹いたもの、記念日に思い切って買い求めたもの・・・と想い出でいっぱい。

それらがセンス良くセッティングされた室内で、美味しい京料理とお菓子とお茶をいただきながら、話はつきることなく、あっという間に時が過ぎていきました。

「もの」はそこに「想い出」や「物語」が重なった時、かけがえのない存在となって私達に幸せを運んでくれます。

「もの」に命を与えるのはその人の心であり、命を吹き込まれた「大切なもの」を人は愛しまずにおれません。丁寧な暮らしはそんなところから始まります。

幼い日、浜辺で見つけた貝殻をそっと小箱に仕舞った感性をずっと持ち続けていたいものです。


落葉の季節

2008年11月06日(木)

秋も深まり木々が色づいてきました。

立派に育ったアトリエのケヤキ・・・昨夜の風で落葉がいっぱい・・・。
早速竹箒を手に落葉掃きをしました。
10分もすると身体がポカポカ温まって気持ちがいい!

201107otiba

近頃、落葉を「ごみ」だと言って嫌がる人がいて
役所の窓口に「落ち葉を何とかせよ!」と苦情が寄せられるそうです。
バシバシッと無残に切られて痛々しい街路樹・・・落葉はゴミではありません!

以前、六甲山麓の住宅地に住んでいた頃の話

「落葉掃きに参加しませんか」とご近所の奥さんに誘われて
生後4ヶ月の長男をヘベビーカーに乗せて坂道にでると、
子ども連れのお母さん達が集まって、楽しそうに落葉掃きをしていました。
あっという間に落葉の大きな山ができると子ども達の大歓声!
世話役らしき奥さんがバケツに水を汲んできて、焼き芋が始まりました。
「毎年恒例の焼き芋パーティー」
落葉の焼き芋はホクホクと美味しくて、
ご近所さんとのおしゃべりはとても楽しくて、
新米ママだった私は、コミニティの仲間入りができた気がして嬉しかったものです。

・・・落葉は季節が運んできてくれる自然の贈り物・・・
忙しい時間を少しだけ止めて落葉の季節を感じてみましょう!
・・・きっと心が豊かになりますよ・・・


私達の増築・改修の作法・・・・・宮内庁京都事務所の場合

2008年09月30日(火)

増築や改修では、歳月を生き抜いてきた建物が目の前にあり、その建物を創った人やそこで過ごした人々の想いが感じられる。

私達はそんな声に耳を澄まし、寄り添いながら、「よりよくつくる」ための方法を模索する。

京都御所はもともと天皇家のお住まいであり、京都御苑は広大なお庭である。宮内庁京都事務所はその庭の一画にある。京都御所等の管理を行い、皇室と皇室の活動について国民の理解を深める重要な施策を担うオフィスであり、日本の皇室の伝統に惹かれて訪れる国内外の人々のための参観受付の窓口がある。事務所内には貴賓室があり、天皇皇后両陛下をはじめ皇族の方々が年に数度はお見えになるのだという。

そのような場所性と様々な要望に応えるため、特に考えたのは以下の3点であった。

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◆既存建物のデザインを活かす。

◆寝殿造りの空間構成の手法を取り入れる。

◆御所の杜に調和する奥床しい清楚な建物とする。

伝統的な日本建築の手法である「透ける」空間構成は、高温多湿の土地に、やわらかな陽射しと爽やかな風を運んで、環境対策にも一役買ってくれそうだ。「先人の智恵に学ぶこと」「想いを大切にすること」それが私達の作法である。


「人」も「住まい」も愛情かけて・・・北畠の家

2008年09月08日(月)

200909kawa1築10年を迎えた北畠の家。

木造の離れでお友達と「学校ごっこ?」をしているのは
竣工の年に生まれたY美ちゃんとそのお友達。

「子どもがのびのびできる家に!」というご希望どおり
3人の子ども達はこの離れや中庭でのびのびと遊び、
愛情たっぷりのご夫妻のもとですくすくと成長した。

「住まい」も愛情がかかせない・・・10年目の健康診断を行った。
◆屋上の防水改修
◆離れの改修塗装
◆笠木と庇の防水改修
◆バスコニー手摺の塗装改修
そしてさらに
◆床フロアー改修・・・床暖房対応の無垢フローリングに張替(10年前には無かった)
◆和室を洋室に改修・・・パソコンルームとして、必要なコンセントや棚を整備

必要なメンテナンスをキチンと行うことで「住まい」は長生きする。
状況に合わせた改修を行うことで「住まい」は家族に幸せを運んでくれる。
建ててしまったら完成!ではない・・・そこからが始まりなのだ。

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屋上防水(改修前)10年経つと防水は劣化する。

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屋上防水(改修後)これで安心!

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離れの塗装(改修前)雨がかりの木部が黒ずんできた。

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離れの塗装(改修後)綺麗に化粧直し・・・

バスケットゴールの黄色に合わせて階段もグリーンにカラーチェンジした離れはとても新鮮!

技術的なメンテナンスだけでなく、精神的なメンテナンス(使い勝手の変更・内外装のイメージチェンジ)も合わせて行い、すっかりリフレッシュした北畠の家。施工担当は、当事若手、今は中堅となった匠工務店のTさん。

「クライアントと施工者と設計者のいい関係」・・・それは私達の大切な「kodawari」

いつも寡黙なご主人(お医者さん)が時折見せてくれるリラックスした笑顔と
センスのいい奥様との何気ないおしゃべりを楽しみに
これからもいい関係を続けていきたいと思う。
次の10年が来たら、Y美チャンは二十歳のお嬢さんだ。