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再びLEDについて

2013年05月14日(火)

今日、ルイスポールセンのTさんがカートに乗せた大きな箱を持って来社。
中味はコペンハーゲンのKibisiデザインによるシルヴァーバックシーリング。
デザイン、素材、取付方法、何より光の質にこだわったシンプルなLED照明だ。

siruva

(天井にも壁面にも取付可能)

「ぜひ実物を見てほしくて!」とTさん。・・・そう、照明はカタログだけでは分からない。

2.3分で器具を組立て電源を入れて、光を感じる。

「いいですね」「いいでしょう!」

そして、講義(レクチャー)が始まる。

私は1、2ヶ月に一度、こうして事務所にやってくるTさんの話を楽しみにしている。

例えばポール・ヘニングセン デザインのペンダントライト PH5。

対数螺旋というカーブを持つ4枚のシェードを組み合わせた独特のフォルムと機能的で美しい光を持ち、発売後50年を経てなお高い人気を誇るペンダンの名作だ。

ph50

この器具には白熱電球150Wが使われ、この光をLEDで実現するのは難しいと思われていた。

が、昨夏、ついに配光特性を生かしたLEDが京セラとのコラボレーションで開発された。

美しい光、省エネ、高寿命の三拍子がそろったのだ。

東京青山のショールームで、実際の光を見比べさせてもらい、

白熱電球とLEDの差は一般にはほとんど感じられない程度だと思った。

kyousera

しかし、電球のスペクトルグラフを手にTさんは言う。
「LEDには赤がないんだ。しかも青がポンと強くでる!・・・これを克服しなければ、白熱電球の光には追いつけない・・・まだまだ進化しますよ」

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(分光分布は左から青-緑-黄-赤)

照明に魅せられた人が居て、情熱的にその現状や課題、素晴らしさを語ってくれる。

建築設計には様々な要素があるが、それぞれの専門家からこうして教わることが繋がって、空間の質を高めていくことが可能になる。

いつも事務所まで足を運んでくれるTさんに感謝!