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想い出の飾り棚

2007年11月11日(日)

kazaridana改築して2世帯で暮らすことになったO邸。静かに取り壊し作業を見守るおばあさんの姿に、亡きご主人との想い出の数々が思われて、「古い家の想い出を新しい家に残したい!」と考えずにいられなかった。
階段の段板は手触りのいいの無垢材だ。どこに使うかは私の宿題になった。

上棟式が終わり、間柱が入った頃、「玄関の間柱の間の空間に飾り棚を創りましょう!」とスケッチを描いて持っていった。「難しいなぁ・・・」と左官屋さん。「この板を使いたいんです」と黒ずんだ段板を見せた。「削ったらいいもんになるなぁ」と棟梁さんから助け舟。「よっしゃやってみよか」・・・こんなやりとりを経て完成した飾り棚は、ご主人に代わって、毎日買い物に出かけるおばあさんを見送り出迎えた。おばあさんは時々季節の花を摘んで飾っていた。

近頃 塗壁の家が少なくなった。それに伴って腕の良い左官屋さんも減っている。この家は中も外も全面塗壁で、左官屋さんのチャレンジ精神を刺激したようだ。悩みながら下地をつくり、細心の注意を払いながら仕上ていく。その光景を見ながら、「仕事が人を育てる」ということを実感した。

今日、久しぶりにO邸を訪れ野の花が活けられた飾り棚を見ながら、おばあさんの穏やかな笑顔が浮かんできた。