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私の一冊 第1回

2026年07月05日(日)

この企画では、これまでに影響を受けた本や最近読んだお勧めの本などを、スタッフが順番に紹介していきます。
初回となる今回は、私、代表の山中が担当します。

 

『野生の思考』 クロード・レヴィ=ストロース

大学時代にこの本に出会った当時、「ものごとの本質は個々の中にあるのではなく、それらを取り巻く関係性(構造・ルール)にある」という構造主義の考え方に夢中になったものでした。
そしてこのことは、今日に至るまで、多様性を志向する私自身の価値観に大きく影響しているように感じます。

本書はそんな構造主義が世界中を席捲し、これまで正しい考えられてきたことが相対化されるきっかけとなった代表著作です。

あれから30年、改めて本書を読み返すと、今度は「野生の思考」が持つものづくりへの眼差しに惹かれます。
身近なものに意識を研ぎ澄ませ、与えられた条件を活かしながら、新しい価値を見出していく。
未開社会の人々による「ブリコラージュ」と呼ばれるそうした営みは、今日、建築を考える上での大切な姿勢にも通じるように感じます。

デジタル技術の進歩により、ものごとの把握や言語化が容易になった時代だからこそ、
感覚や経験に基づき、世界の豊かなつながりに目を向けることの大切さを改めて教えてくれる一冊です。