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街づくりを考える・・・自らのまちを自らの手で

2008年02月16日(土)

letchworth_photo神戸市垂水区の舞子ゴルフ場跡地開発事業「ガーデンシティ舞多聞」はUR都市機構と神戸芸術工科大学の共同プロジェクトだ。定期借地権制度により広々とした敷地(110坪~497坪)を実現した「舞多聞みついけプロジェクト」はすでに大半が入居し、続いて数年後の街開きを目指す「てらいけプロジェクト」が始まる。イギリスの田園都市レッチワースに多くを学び、「新・郊外居住」宣言を行ったこれらの取り組みは先進的で、街づくりとは何か、豊かな暮らしとは何か、を考えさせられる。

「ありのままの地面」
傾斜地は俗に言う「ひな壇造成」で、木々は伐採されせれ、地面は当初の面影のかけらもなくなってしまうことが大半だが、ここでは極力擁壁をなくし、ゴルフ場の樹林や自然の傾斜を生かした宅地づくりを行っている。

「コミニティづくり」
自らのまちは自らの手でつくり育てるというコンセプトのもと、居住者(居住希望者)はワークショップや公開講座を重ねて主体的に自分達のまちづくり(街の木を決める・ルールをつくる・イベントを企画するetc・・・)を行っている。

私たちが参加した「みついけプロジェクト」の第19回公開講座の記録は下記URLから
http://www.maitamon.jp/workshop061118.html

ガーデンシティ舞多聞の一連の活動と「てらいけプロジェクト」アンケートは下記URLから
http://www.maitamon.jp/


光のデザイン・・・カラーチェンジができる照明

2008年01月17日(木)

200116syoumei美しくデザインされた照明器具もいいが、建築化照明で器具を脇役にして光そのものを演出すると空間はもっと魅力的になる。
使い勝手や省エネ(電気代)のことも考えながら、そんな照明計画を心がけていこうと思っている。

写真はダウンライトの下に取り外し可能なカラープレートをセットしたもの。反射光の色が天井に映し出されて楽しげな印象になる。挟み込みのカラープレートは赤・黄・青・緑の4色で、はずせば白いベーシックな光に・・・。夏場はブルー系で涼しげに!クリスマスパーティーの時はレッド&グリーンのクリスマスカラーで!という演出もできる。
遊び心のある、リビングや子ども室にお奨めしたいこの照明は、小さな可愛い女の子のためにデザインされたもの。(アカリ・アンド・デザイン Y氏 オリジナル)


ビー球の一二三石(ひふみいし)

2008年01月16日(水)

200116bi-dama三和土(たたき)に赤・青・黒の石を一、二、三とちりばめた一二三石。修学院離宮の隣雲亭の一二三石は有名でご存知の方も多いと思う。

これを現代風にビー玉とカラーモルタルで再現した。
写真は小児科医院のエントランス。子ども達がいやがらずに楽しく来院できるようにとの院長先生のご希望から実現した。色とりどりのビー玉を埋め込む作業はモルタルの乾き具合を見ながらの手作業。先生自ら現場に出向いてお子様と楽しみながら埋め込んでできあがった。ちょっと大変だがいい記念になったと思う。

開院後、やっと数を数えられるようになった幼子が「いち、に、さん」とビー玉に目を輝かせながら来院する姿を思い描いている。


透ける格子戸

2007年11月29日(木)

kousido二種類の寸法の縦桟と横桟がモダンな印象の天井まである格子戸。
カバ桜、ピーラー、シオジなど素材を変えていくつかチャレンジしたが、それぞれに味わいのある透けた空間ができあがった。
この建具のミソは縦桟と横桟がガラスを挟んで向こう側とこちら側にあるからとっても掃除がしやすい!ということだ。

アイデアの源泉は伝統文化とモダニズムの融合を試みた建築家、堀口捨巳氏である。実用を兼ね備えた粋なはからい。その智恵を少々拝借してアレンジした建具を私は好んで使っている。


想い出の飾り棚

2007年11月11日(日)

kazaridana改築して2世帯で暮らすことになったO邸。静かに取り壊し作業を見守るおばあさんの姿に、亡きご主人との想い出の数々が思われて、「古い家の想い出を新しい家に残したい!」と考えずにいられなかった。
階段の段板は手触りのいいの無垢材だ。どこに使うかは私の宿題になった。

上棟式が終わり、間柱が入った頃、「玄関の間柱の間の空間に飾り棚を創りましょう!」とスケッチを描いて持っていった。「難しいなぁ・・・」と左官屋さん。「この板を使いたいんです」と黒ずんだ段板を見せた。「削ったらいいもんになるなぁ」と棟梁さんから助け舟。「よっしゃやってみよか」・・・こんなやりとりを経て完成した飾り棚は、ご主人に代わって、毎日買い物に出かけるおばあさんを見送り出迎えた。おばあさんは時々季節の花を摘んで飾っていた。

近頃 塗壁の家が少なくなった。それに伴って腕の良い左官屋さんも減っている。この家は中も外も全面塗壁で、左官屋さんのチャレンジ精神を刺激したようだ。悩みながら下地をつくり、細心の注意を払いながら仕上ていく。その光景を見ながら、「仕事が人を育てる」ということを実感した。

今日、久しぶりにO邸を訪れ野の花が活けられた飾り棚を見ながら、おばあさんの穏やかな笑顔が浮かんできた。